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中国と日本

中国の覇権拡大に対しては、フィリピンやベトナムと共闘せよ!

2012年09月19日

尖閣諸島をめぐる日中の対立が激化している。中国は、国際的に日本の領土と認められている島を強奪して何をしようとしているのか?
海底資源の確保だの、反日行動によるガス抜きだの、いろいろなことが言われているが、もう少し大きな視点から見てみよう。

中国は1985年、「近海防御戦略」を打ち出した。この戦略は第1列島線と第2列島線の2段階からなる。もともとは冷戦時代に西側諸国が中国を封じ込める防衛ラインとして描いたものだが、現在は逆に中国が覇権を拡大し、アメリカの影響を跳ね返す目標ラインとしている。

覇権拡大の第1段階目は、九州を起点に台湾からフィリピンを経てボルネオ島までを結ぶ第1列島線の内側にある海域を手中に収めようというものである。
中国は従来、2010年までに第1列島線の制海権を確保し、2040〜2050年にはアメリカ海軍と対等な海軍を建設し、アメリカによるインド洋と太平洋の支配を阻止するとしてきた。やや遅れているので、そろそろ手を打とうということだろう。
すでにフィリピンやベトナムを相手に何度か事件を起こしており、中国が島や環礁を乗っ取ったケースもあれば、南シナ海のスカボロー礁のように日本とアメリカを後ろ盾にして耐えたフィリピンに中国が屈したケースもある。
尖閣諸島問題は、日中だけの問題と考えるべきではない。

近海防御戦略」の2段階目は伊豆諸島からパプアニューギニアに至る第2列島線内の海域を支配しようというものである。もしこの構想が成ったら、日本と中東を結ぶマラッカ海峡経由のルートも中国の支配下に落ちる。
こうして見ると、中国はしっかりと「戦略」を持って動いていることがわかる。

中国の第1列島線・第2列島線 中国の第1列島線・第2列島線 中国の第1列島線・第2列島線

中国が今回、尖閣諸島で動いたのは、「チャンス」と見たからだろう。野田首相は東シナ海を「友愛の海」と呼んだ阿呆の鳩山よりはずっとマシとは言え、外交巧者ではない。自民党も百家争鳴状態にある。

中国からは漁船約1000隻が尖閣諸島に向かって出港したという。また、10隻を超える中国の漁業監視船と海洋監視船も接続水域に入っている。「漁船約1000隻」にしても、本当に漁船とは限らない。中国がフィリピンやベトナムの島や環礁を乗っ取ったときは、漁船に見せかけた軍隊を上陸させている。
海上保安庁の巡視艇だけで不足なら、自衛隊を尖閣諸島の守りに向かわせる必要がある。

日本は外国の不法行為に対しては、過去に3回、自衛隊法に基づく海上警備行動を発動したことがある。今回はより緊急の事態を想定した防衛出動を発動する準備を整えておくべきである。

対峙して戦争になるかどうか?
自衛隊の軍備は決して二流のものではなく、アメリカは安保条約遵守を明言している。つまり中国に勝ち目はない。
中国人は現実的な国民である。「自分より弱い」と思った相手には傍若無人にふるまうが、力が上の相手には平気で屈して生きていこうとする。元、金、清など異民族に支配された歴史が、それを物語っている。

ただし、中国政府が今回引いたとしても、同様の無法行為は、今後何度も繰り返すだろう。
ここで重要なのは、外交の基本である「遠交近攻」に立ち返ることである。拡大主義を取る中国と対抗するには、中国との間に紛争を抱えている国と協力することが大切だ。
今さらインドと中国の国境問題を再燃させる工作をせよとまでは言わないが、フィリピンやベトナムとは情報を共有して共闘すべきだろう。

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著者 著者

【著者】
広沢 大之助

出版業界でおもに社会科の本の編集にかかわってきました。全国の中学校の授業で使う公民・地理・歴史の資料集や参考書、その他多くの書籍をつくっています。
「国民のための社会科」では、眼光紙背の精神で、政治経済・社会問題・産業などについて、くわしく、わかりやすく解説していきたいと思っています。
プロフィール

【中国と日本】

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