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中国と日本

日本が中国の力を弱めるために為すべき、共産党一掃の大戦略

2017年8月20日

日韓関係悪化の仕掛け人は、中国

韓国の文在寅大統領は、8月17日、就任100日目の記者会見で、日本統治時代に朝鮮半島から動員された「徴用工」の日本企業への個人請求権は消滅していないとする見解を示した。これに対して、日本政府は、請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みという見解に基づき、韓国政府に抗議した。当然の話であるが、問題の根は実はもう少し別なところにある。

韓国が言う「歴史問題」が激化したのは、1992年の中韓国交樹立を起源とする。それまで北朝鮮と「血の盟約」で結びついていたはずの中国は、一転して韓国と国交を結び、「歴史問題」で共闘するようになった。
中韓国交樹立と併行して進められたのが、従軍慰安婦問題である。くわしくは従軍慰安婦問題の、ほとんどの人が知らない意外な真実に書いたように、吉田清治なる人物が1983年に『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』に書いたつくり話が元になっている。普通に考えて、これほどの話が戦後40年近くも経過してから出てきた時点で、おかしい。
実際、本人証言は多数あるが、目撃証言は1件もない。力づくで連れ去ったのなら、その恐怖の叫び声を聞いた目撃者は、本人の数倍はいるはずである。だまして連れて行ったという考えもあるが、怪しい朝鮮語を話す日本人に朝鮮の女性たちがついて行くだろうか? 
慰安婦を名乗る女性たちは、戦争の時代につらい経験はしただろうが、給金をもらって働いていた、ただの売春婦である。

さて、従軍慰安婦問題は、1991年8月11日に朝日新聞に掲載された記事によって一気に増幅した。書き手は、朝日新聞の植村隆記者であった。
植村隆記者の背後には「韓国挺身隊問題対策協議会」があったことは、判明している。この団体は中国や北朝鮮とつながっている。つまり従軍慰安婦問題は中国によって仕掛けられた、と見るのが正しい。日韓関係悪化のくさびは、中国によって打ち込まれたものなのである。

中国の真意がわかる江沢民の非礼

中韓国交樹立がなされた1992年は、宮沢喜一内閣が天皇訪中を実現させた年でもある。それは江沢民の要望に応じたものだった。
その少し前の1989年6月4日、天安門事件が発生。中国人民解放軍は民主化を求める人々を戦車で轢き殺し、無差別に発砲して多数の死傷者を出した。
この事件により、中国は世界中から非難を浴びて孤立。鄧小平は引退し、代わって江沢民が中国の国家主席となった。
宮沢喜一は優れた頭脳を持っていたが、裏の読める政治家ではなかった。見事に江沢民の罠にはまり、天皇訪中を実現させてしまった。これをきっかけに、中国は国際社会に復帰していく。

ところが、中国はその恩を返すところか、同年10月、「領海法」を制定。尖閣諸島が中国の領土であり、南シナ海が中国の領海であるとした。要するに、「利用するものは利用した。もう用はない」ということだった。
さらに、1998年、江沢民は国賓として日本を訪問した際、皇居で開かれた晩餐会に人民服で出席し、天皇の前で日本の責任論を述べ立てるという非礼を働いたのである。
(こういうことを書くと、「日本は日中戦争で中国に迷惑をかけたので仕方がない」と言う馬鹿者が出て来るが、では、日本の首相がアメリカの大統領の晩餐会に野良着姿で出席し、「アメリカは日本に原爆を落としてくれましたね」などと言うことは、礼儀にかなっているだろうか?)

中国が日本をどう見ているか、肝に銘じるべきであろう。

韓国には、どう対処していくべきか?

では、中国・韓国に対して、どう対処すればよいのだろうか?
まず、韓国に対しては、あのように近代法も国際常識も通じない国であるから、適度に距離を取り、何とかやっていくしかあるまい。韓国の地理的位置は、中国や北朝鮮への前線として役立つからだ。
しかし、文在寅大統領はTHAAD(サード/高高度迎撃ミサイルシステム)の追加配備を1年後に延期してうやむやにしているだけでなく、すでに配備してあるものも、中国の脅しに屈して中国方面を探索できない山間に置いたと伝えられている。THAADに装備されているXバンドレーダーは、射撃管制モードで500km以上、捜索モードで1000km以上の探知能力があり、範囲内ならサッカーボール大のものまでわかるとも言われているが、これでは意味がない。

だが、そもそも、なぜ中国が日韓関係の悪化を図ったのかを推察すると、東アジアでアメリカと対抗していく上で、日米間の連携を混乱させる布石であったと見るのが、適切だ。つまり本当のターゲットはアメリカであるが、返す刀で日本を切るようになっている。そのことを十分に理解し、中国の切り崩しに屈しないよう、身方につけておく必要はある。
こうなると、北朝鮮の存在は、案外、日本にとって貴重かもしれない。あのような国が近くにあってよいわけはないが、危機が身近にあることで、韓国を日米陣営に留めることになるからだ。
しかし、文在寅はかつて親北反米反日の政策をとって政治を紛糾させた盧武鉉(ノムヒョン)の側近であった。注意深く関係を続ける必要はあるだろう。

日本の属国化を本気で狙う中国

問題は中国である。中国が日本に対して狙っていることを示すものとしては、1939年、毛沢東が発表した『中国革命と中国共産党』がある。この中で毛沢東は、中国歴代の王朝の中で最大であった清の領土と属国を奪還することを目標として掲げた。その「属国」には沖縄も含まれる。
さらに日本を含むアジア諸国を民主化(この場合=共産化)することも目標として掲げている。

中国の日本攻略の第一歩は、尖閣諸島だろう。太平洋へのゲートウエイにあたるからだ。次に九州からボルネオ島へ至る第1列島線の内側にある海域を手中に収める。沖縄も中国の支配下に置く。
あわよくば日本へ侵攻して天皇を処刑し、日本を東西に分割して国力を弱め、二度と立ち上がれないようにするだろう。

「天皇を処刑」などと言うと荒唐無稽に聞こえるかもしれないが、中国では古代から「天命を受けた者が新しい皇帝」になるという思想で国が成り立ち、新王朝は前王朝を九族まで根絶やしにしてきた。中国人にとっては当たり前の行動である。まして、「皇帝は世界に1人」とする中国にとって、天皇は不倶戴天の敵であった。

少し話が横道に逸れる。「天皇などいなくてよい」という人もいるが、イギリス人が「イギリス王室なんか、くだらない」と言ったり、ギリシャ人が「ギリシャ神話なんか、未開人のつくり話さ」と言ったりしたら、外国人の目にどう映るかを考えてみるとよい。
軽薄な印象は免れまい。国民が歴史の中で長く伝えてきたことには、国民の精神の深い部分に関わるものがある。戦時中のように、天皇を礼賛せよと言っているのではない。左派の方は左派のままで構わないので、自国の精神史にも思いを致すようにしないと、根無し草になってしまう。

民主化と国の分割を図るのが、中国対策の基本

中国は好機が到来したら一気に行動を起こすだろう。中国人は、何年も何十年も本心を出さない。だから、宮沢喜一首相に限らず、過去、多くの首相も騙されたし、丹羽宇一郎のような元中国大使まで騙されている。日本人は何度でも江沢民の非礼を思い出し、中国の本当の狙いを忘れてはならない。

では、日本は中国に対して、「防衛」だけでよいのだろうか? そうではあるまい。中国が日本に対して何十年もかけて工作を仕掛けているように、日本も中国に工作を仕掛けるべきであろう。
中国は、過去、統一と分裂を繰り返してきた。「ひとつの中国」という観念は秦の始皇帝に始まるが、なぜこのような観念が出てくるのかと言えば、常に分裂の危険をはらんでいることの裏返しである。

近年は習近平が軍もまとめつつあるが、地方ごとに軍閥が割拠しているのが、本来の姿である。また、方言の違いはドイツ語と英語より大きいと言われる。一方、中国経済は急速に失速し、社会は混乱しつつある。分断工作には好機だろう。

中西輝政氏がしばしばハンチントンや梅棹忠夫の研究を元に語るように、日本は中国とは全く別の文明圏である。別の文明圏であるから、本質的なところで理解し合えるわけがない。地理的・民族的に近く顔が似ているだけに、かえって誤解や混乱の元となる。ならば、欺瞞的な友好関係は捨てた方がよい。
聖徳太子は隋の煬帝に「日出るところの天子、日没するところの天子に致す。つつがなきや」という手紙を送った。これが日本と中国の関係の原型であり、日本人は日本人としての気概を持って国を守るべきであろう。アメリカの国力が落ちて行く時代を迎え、憲法を改正して自国を縛っている9条の呪縛から国を解き放ち、中国に対抗できる地力をつけていかなければならない。

そろそろ核武装を視野に入れてもよい。日本は被爆国だが、現実の国際政治にユートピア論は通用しない。サッチャーが語ったように、核がなければ確実に戦争は増える。
なお、核技術はイノベーションの余地が大きく、三菱重工業によって放射線の無害化の研究も進んでいる。それはもちろん発電に役立てるものだが、後世の人々への影響の少ない、破壊力だけの核爆弾をつくることも可能になるだろう。

そして、中国を日本にとって望ましい形に持っていきたい。日本としては、中国はマーケットであってくれれば、それでよい。
そのためにはいくつかの地域に分断し、独立国としてしまうのが、最もよい。仮に6つに分けたとしても、単純計算で各国とも人口は2億人を超えるのだから、十分である。国としてはそのくらいの規模の方が運営しやすいだろうから、これはむしろ親切と言える。
さらに少数民族の独立を支援したい。「少数」といっても、チワン族は約1600万人、満州族は約1100万人で、ヨーロッパの国々くらいの人口はある。

日本政府がすでに動いているかどうかは、私は知らない。また、習近平が将来構想として、アメリカのような分州制を考えている可能性もあるだろう。しかし、たとえ共産党から別な形の政権に変わっていったとしても、ソフトランディングさせては、日本への侵攻を止める可能性は低い。
敵は中国共産党にあるのだから、まずは民主化を図って共産党を瓦解させたい。中国の王朝は前王朝を否定し、更地の上に国を建ててきた。その点、歴史に連続性がある日本とは異なる。日本にとって中国共産党より悪い存在はないのだから、「共産党のタガが外れたら、何が起きるかわからない」などと優等生的な遠慮をする必要はない。民主的な社会を求める運動家を支援して共産党転覆を図り、共産党員を一掃させるのが目標となるだろう。

それでもよい方へ変わるという保障はない。できれば、中国を分割し、人民解放軍を分割し、力を弱めていくのが、日本にとって望ましい戦略だと思う。

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著者 著者

【著者】
広沢 大之助

出版業界でおもに社会科の本の編集にかかわってきました。全国の中学校の授業で使う公民・地理・歴史の資料集や参考書、その他多くの書籍をつくっています。
「国民のための社会科」では、眼光紙背の精神で、政治経済・社会問題・産業などについて、くわしく、わかりやすく解説していきたいと思っています。
プロフィール

【中国と日本】

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